-雪女郎- 千寿

「ねぇ・・・松。この花、なんの花か知っている?」









織閖が、突拍子もなく話し始めた。









「姫椿・・・でありんすか?」









「そうサザンカ。別名を姫椿。・・・わっちらの姐さん方が残していったもの。」










ふわりと、松に向き直った。










「花言葉は、愛敬。人を愛し、敬うということ。」









松は、織閖の周りに咲く姫椿を見つめた。









「人は・・・愛し、敬うこと。それを、見失っている。」










「それが、真の愛だというのに。」