「雪洞花魁・・・」









「松?」









昼間の空き時間に、雪洞の座敷を珍しい客が訪れた。










松 マツ。







千寿の新しい禿。








「よ、よろしい・・・」










「いいよ。上がんな。緊張しなくていい。花魁だって、アンタの姐でもあるんだ。」









雪洞は笑顔で言った。









「せ、千寿姐さんのことで・・・」










その瞬間雪洞の顔は凍りついた。