「安江?」








「はい。確かにそう申していましたよ。」








「安江・・・か。」








「ご存じですの?」








桃が、振り返った。







「いや・・・特に。」









「そうですか。ではこちらで。」








松の間の前で、桃は暗闇に姿を消した。








雪洞は、静かに襖を開け、上座に座り顔を上げた。








「貴方様は・・・・・・」