「雪洞花魁。新しいお客様がお見えでありんす。」









「新しい客?」








煙管を持って、苛立って立ち上がった。








「面倒くさい・・・何処?」









「松の間でありんす。それにしても・・・雪洞姐さん機嫌悪いですねぇ。」









桃が苦笑して言った。








「別に・・・わざわざ悪いね。桃。」









「いえいえ。雪洞姐さんには世話になってますもの。」








そう言って、桃は雪洞を先導して歩いた。








「名前は?」








「わっちは初めて見たお方です。お名前は・・・安江様?だったかな。」