誰もいない静かな第二音楽室。
『好きです』
あたしはここで真久への思いを口にした。
そして、あたしたちはつき合うことになった。
それ以来、ここはあたしたちの思い出の場所になった。
落ち着く匂い。
優しい目。
あたしをぎゅっと抱きしめるうで。
あたしだけの唇―…
「ねぇ、真久…」
ちょっと上を向いて話しかける彼女は上野美桜。
「何?」
美桜を抱きしめながら下を向く彼は、宮川真久矢。
「大好き」
美桜は真久矢の体に手を回した。
「うん」
それを、目を細めて見ていた真久矢は、もう一度美桜をぎゅっと抱きしめた。
―…でもこれはヒミツの恋。
誰にも言えないのだ。
回りにぎゃあぎゃあ言われるのが嫌いな真久矢は付き合った次の日、
『このことはヒミツにしたい』
と言ってきたのだ。
断れず、美桜はOKした。
…嫌われるのはやだ。
たとえ皆に言えなくても、こうやって毎日会えればいい―…
美桜にとって、この時間は、甘い、大切な時間だった。
キーンコーン…
美桜の大好きな時間は、チャイムによって壊される。
「じゃ、行くか」
「…」
真久矢は抱きしめていた手をゆるめた。
「やだ…まだ一緒にいたい…」
「…」
真久矢はツラそうな顔をして、もう一度美桜を抱きしめた。
美桜が顔を上げると、真久矢は顔を近づけ、キスをした。
「行こ。」
「うん…」
…この時間が終わったら、真久とは会えなくなる。
ただそれだけ。
でも―…
真久矢に頭を撫でられながら、美桜は複雑な表情をうかべた。
「夜、電話するから。」
「うん…」
もう一度、ぽんぽんと頭を撫でられ、美桜はうなずいた。
『好きです』
あたしはここで真久への思いを口にした。
そして、あたしたちはつき合うことになった。
それ以来、ここはあたしたちの思い出の場所になった。
落ち着く匂い。
優しい目。
あたしをぎゅっと抱きしめるうで。
あたしだけの唇―…
「ねぇ、真久…」
ちょっと上を向いて話しかける彼女は上野美桜。
「何?」
美桜を抱きしめながら下を向く彼は、宮川真久矢。
「大好き」
美桜は真久矢の体に手を回した。
「うん」
それを、目を細めて見ていた真久矢は、もう一度美桜をぎゅっと抱きしめた。
―…でもこれはヒミツの恋。
誰にも言えないのだ。
回りにぎゃあぎゃあ言われるのが嫌いな真久矢は付き合った次の日、
『このことはヒミツにしたい』
と言ってきたのだ。
断れず、美桜はOKした。
…嫌われるのはやだ。
たとえ皆に言えなくても、こうやって毎日会えればいい―…
美桜にとって、この時間は、甘い、大切な時間だった。
キーンコーン…
美桜の大好きな時間は、チャイムによって壊される。
「じゃ、行くか」
「…」
真久矢は抱きしめていた手をゆるめた。
「やだ…まだ一緒にいたい…」
「…」
真久矢はツラそうな顔をして、もう一度美桜を抱きしめた。
美桜が顔を上げると、真久矢は顔を近づけ、キスをした。
「行こ。」
「うん…」
…この時間が終わったら、真久とは会えなくなる。
ただそれだけ。
でも―…
真久矢に頭を撫でられながら、美桜は複雑な表情をうかべた。
「夜、電話するから。」
「うん…」
もう一度、ぽんぽんと頭を撫でられ、美桜はうなずいた。