夢から覚めると私はベッドに横になっていた。
「おはよう、フォルセ」
旦那がいつものように私に声を掛けた。
「良く眠れた?」
「テントよりはだいぶマシよ」
連日、敵国の進撃を止めるため、私はあらゆる国境付近に足をのばしていた。
そのため、疲れが未だに残っている。
「今日も勤務かい?」
「そ、お城にいかなきゃ」
「そう、僕は夜勤だから、またすれ違いだね」
ベッドから出て、服を脱ぐ。
「そうね」
「……」
私の回答が不満だったのか、ゼノはふてくされた顔をしている。
「なに?」
「こんな所で着替えるの止めなよ」
「別に、慣れたわ」
「えっ!?って事はいつも、どこでもこんな大っぴらに着替えてるの!?」
「死にはしないんだし、いいじゃない」
「でも…」
なおも何か言おうとしている夫を横目に見つつ、着替えを途中で止める。
「?どうしたの?」
「………別に………」
着替えだけのことで文句を言われるのがとても懐かしく思えた。