「今日七夕ぢゃん」

「は?」



帰り道突然琴羽が立ち止まった。

つられて蓮も足を止める。



「だから、七夕なの! 織姫さまと彦星さまが1年に1度だけ会える日」

「それくらい知ってる」



突然止まるかと思ったらそんなことかよ、蓮が歩き出す。

後ろをついて歩きながら、琴羽はうっとりと空を見上げた。



「ロマンチックだよね-」

「俺は嫌だね」

「なんでよ-」



ばっさり切り捨てられ頬を膨らます。



「1年に1回だろ? 相手に浮気されるかもしんね-ぢゃん」

「しないわよ! そんな現実的なこと言わないで」

「へいへい」





でも…

1年に1回しか会えないなんて

私だったら耐えられないかも



大好きな人には毎日だって会いたいもの。









七夕
(今夜は晴れるかしら)
(織姫と彦星が会えますように)






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