ぬめりぬめりと

深き欲望の淵より

わきいでて

我をつきうごかす

私の中にすくう

紅き蛇が

身体に絡み付き

春の蝶のゆらぎに

目覚め牙をむく

平坦な一日の

堕落した日常で

悪魔が 囁く


あの芽吹いたばかりの

花芯にくちづけがしたい

あの 青き果実に

ひとかみの歯型を

つけたい


悪の果実の味は


私を甘美に誘う


悪の華は

たおやかな笑みをうかべ


私を迷宮に誘い込む