「だから…何?」


何にも言わないあたしにしびれをきかせたお兄ちゃんは本を閉じ、あたしを覗き込んだ。


ドキン!!!


更に胸が高鳴って、

顔が熱くなるのを感じた。


言わなきゃ………


お兄ちゃんが好きだって。



あたしはお兄ちゃんの服の裾を掴み、顔を伏せ口を開いた。



「……あたし………


お兄ちゃんが……


………1人の男の人にしか、


見えない、の…。


昔から

ずっと昔から

あたし、

お兄ちゃんが…ーー」


そこまで言ってあたしは顔を上げた。


お兄ちゃんの驚いた顔。

泣くつもりなんてなかったのに涙がこぼれた。

「…好き」