行き先は決まっていない。 でも、出来るだけ遠くてあたし達の事、誰も知らない場所がいい。 あたしはお兄ちゃんと指を絡ませ、キスをした。 甘い、甘い、キス。 「お前も……この子も、守ってやるから」 お兄ちゃんの温かい手があたしのお腹を撫でた。 そう、あたしは一人じゃない。 あたしのお腹にはーー… お兄ちゃんの子供がいる。