役所に着いたあたし達は個室に通された。
「じゃあ住民票見せて」
「はい」
お兄ちゃんが偽物の住民票を渡す。
どうか…バレませんように…ー。
ここでバレたらもうおしまいだ。
「ーーーーーーーーキミ達」
「…はい」
「名字違うじゃないか」
ほ……。
バレてない。
「いろいろ事情があって、籍を入れられないんです」
「ふーん…」
悠生さんはしばらく、何かを考えているようだったけど「じゃ!手続きしてくるから待ってて」と個室を後にした。
「ふぅ~」
やっと肩の力が抜ける。
良かった、バレないで…。
一応、偽の住民票には
榊原 海
篠田 友輝
という事にしている。

