『良かったね、加奈子!』

たまきは、何度目かの杯を加奈子に求めた。


『何回乾杯するのよ。』


苦笑する加奈子に尚も満面な笑顔を送るたまきは純粋に親友の幸せを喜んでいる様子だった。


『しかし、あたしは坂本さんと今だに何にも進展がないわ。』


『焦らなくても大丈夫よ。食事とか行ってるんでしょう?』


『行ってる。それに、前より連絡増えたけど…』


『けど、何よ?』


『いまいち、坂本が何を考えてるか解らない。』


『そりゃあ、他人ですからね。解らなくて当然でしょ。』


『そうだけどさぁ…』


『まだ何かあるの?』


『こないだの土曜日の夜ね、二人で飲みに行ったの。坂本さん、あたしより酔ってて。終電もないからって、あたし、自分の部屋に泊まらせてあげたの。』


『へ〜。積極的じゃないの。』


『でしょ??!でもっ!!問題はここから!!』



加奈子はたまきが次に口にする言葉を待った。