-君に愛してると言いたい-

いくら恋をする準備は調ったといっても、相手がいなければどうしようもない。

高校生の間、真知子に言い寄る男の子なんていなかったし、真知子だってそれでいいと感じていたから。

真知子は流行だとか、パステルカラーだとか、そういうものが嫌いだ。

だんとつで黒と赤が好きだったし、服だって何の飾りもないボートネックのセーターが好きだ。

若者と言うのはえてして、さりげない可愛らしさが好きなものだ。

さりげない中に、かわいらしいものを取り入れ、自己満足に浸る。

そのくせいつだって、それ、かわいいね、と気付いて貰えるのを待っている。

可愛いと言われたいならもっと主張すればいい。と真知子は思う。

真知子の肩につくかつかないかで切り揃えられたおかっぱ頭も、真知子を恋愛から遠ざけるには十分だった。

真知子にはこれ以上ないほどに似合っていたのだけれど。