「おはよ〜!」

看護婦の紗英さんが入ってきた。


柚葉はまだベッドに横になっていた。

布団を頭までかぶりながら。


「柚葉ちゃん、起きて〜。」

紗英さんはカーテンをあけながら言った。


「紗英さん…。」


柚葉はか弱い声で言った。

布団の中から腕を伸ばした。


「これ…、返す。」

柚葉は奇跡のキーホルダーを差し出した。