「殿…」



「ひのと?」



塀の側でひのとは声をかけた



「如何ですか?」



「問題ない…、全て順調だ」



「姫様は?」



「身体の毒次第だ…」



「村で不穏な噂が流れております」



「もうすぐだ…、ひのと。もうすぐ長きに渡る私の願いが叶う」



「お早く事を済まされませ。どうも気になります…この長雨も」



「全く、何故このように降り続くのか…
相当な邪気の溜まり具合だな…」




「殿、私もそろそろ限界です。お早く…」



ひのとはゆっくり暗闇に姿を消した



男もまた闇へと消えた