バカって言ったけど、なんか優しかった。
「さーきーこー!!!!!」
「何うるさいっ」
あれから皆に追いついて、いろんなところを回ったけど、楢橋の言葉がずっと耳にこびりついていた。
『お前が幸せじゃなきゃ、嫌なんだけど。』
今「嫌なんだけど」が頭の中増殖中ですー!
「咲子咲子、「お前が幸せじゃなきゃ嫌」ってさ、どういう意味だと思う?」
宿に着いたあたしたちは、只今おフロ待ち中。
そしてここは、部屋でふとんのまくらだけとって部屋番号別まくらなげ大会の審査員席。
「―はっ?そのままの意味なんじゃない?」
「うーん…。なんかかわいかったしなー。何でだろ」
「なになに、それ楢橋に言われたの?言われたんでしょ?!」
「うん。」
すると咲子の本性が現れてしまった。
「わかった。これは今夜の『乙女の恋バナ★in203号室』で語り明かそう!」
え―――――…


