ひじをついてボソっとつぶやいたのは楢橋。
「なにが」
あたしは戦闘態勢をとる。
「日高のこと好きなんだ、野中って」
「…え?」
「クラス中聞こえてっけど。『キサキだけには言う』とか言って」
みるみる顔が赤くなる咲子。
そーだった…
楢橋がいるから休み時間でも教室はしんと静まり返ってる。
「どこからきーてたの…?」
わざとらしくため息をすると楢橋は言った。
「はあ。のところから」
「最初じゃん!」
すると楢橋は立ち上がり、
「まーいいんじゃねえの、頑張れ”日高さん”。」
咲子の肩をポンと叩くと教室を出て行ってしまった。
「な~ら~は~し~!!!!!!」


