「―わかってるよ。だってばかじわかりやす過ぎだもん」 「何で咲子から告んないの」 あたしはそう言いながら咲子のトレードマークの、耳の両サイドにくくってる髪をひっぱった。 「なんでアタシがばかじのこと好きって前提なんですかー」 「だってそうじゃないですかー」 はあ、そう大きく息を吐くと咲子は言った。 「わかった。キサキには言う。アタシもばかじのことは好きだよ?だけどばかじから言ってくれなきゃ付き合うことはできない」