「何ソレ。頭イイってジマン発言?」
「お前らずっと俺のことそう言ってたのに意味わかんねえ」
キレた…
「ていうかなんでそんなかしこいの?」
あたしは楢橋にそうたずねた。
かしこくなる方法があったら是非とも教えてもらいたい。
「―だから、1回聞きゃ…」
「授業中教科書とノート開かないのに?」
「黒板で充分だろ」
「授業中寝てるのに?」
「1回授業聞いたらその単元はだいたいわかる」
「2年ときの学年末の順位は?」
「8位。」
「「へぇ〜〜」」
「早く勉強しろ」
下を向くと楢橋は教科書のページをぺらぺらめくる。
楢橋の順位を聞いて、フツーにあたしは流したけれど、8位だなんて。
ヒトケタだなんて。
そこまで賢いだなんて。
あたしなんか、最後から数えた方が断然早い。
…すごいんだ。
楢橋って。


