オレサマ狼×泣き虫羊





「やぁーっとくっついてくれたわね。あんたたち」


寄り道して買ったストロベリーアイスを片手に、咲子は言った。

後ろにはあたしと楢橋。



とことん聞き役に回ってます。




「あたしが楢橋に言わなかったら、どうなってたことか…。…山森には悪いけどさ」



「そーだよ!!なんで必要ないこと言ったの!!一歩間違えれば、…ねえ?」


「楢橋はあんたのこと諦めるとこだった、って言いたいんデショ」



そ、その通りです…





「まあ、楢橋ブームも一段落したし、いいんじゃない?二人仲良く帰んな」


そう咲子は吐き捨てると、道の角を曲がって行った。

どうせばかじと会うんでしょ、でも




「ありがとう!」



アイスクリーム片手に歩く彼女の後ろ姿にあたしは言った。



「どーいたしまして!!」



アイスクリームを持った手を挙げ、大きく振る。
見事にアイスクリームは地面に落ちた。





「自滅だな。」



ふふ、咲子らしいや…