「無理。別にいいじゃねえか、中村だけ戻れば」



「えー」




なんでそんなに教室に戻るのを拒むんだろう。

あたしは聞いた。



「なんで教室に行きたくないの」



そう聞いても楢橋は口をとがらせシカトする。




「もうなんなの…?!」



はあ、としゃがみ込むと、楢橋が小さく、ほんとに小さな声で言った。