「まったく楢橋も、あれはやり過ぎだろ(笑)。でも骨とか折れてなくてよかったな」 「おう。」 お昼休み、包帯でぐるぐる巻きにした左手をさすりながら、楢橋とあたしたちは学校の屋上で話をしていた。 あれから先生たちに呼び出されて、午前中は話し合いばかりだった。 あいつらも、反省したようで、「言いすぎだったよ。ごめん」って言ってくれた。 「楢橋の親も来たしねー。パパ恐すぎでしょ(笑)。ありゃ極道の息子だって言われるわ」 咲子は身ぶるいをしてみせる。 確かに、あのお父さまは恐い。