「さあ、好きなの?嫌いなの?」 嫌なくらいに微笑む彼女たちは、手拍子をしながらコソコソ何か言っている。 嫌いだって言ったらこのままだし、何かない限り、好きだって言ってもあいつらは悪口を言うだろう。 もしかすると、あたしまで被害を受けるかもしれない。 でも… 「あたしは楢橋が好きです」 目をつぶって、大きく叫んだ。 ほんとに悪口言わなくなるのかはわからないけれど、選択肢はひとつなんだもん。 …事実を言うだけだもん。