「今年受験なんだから、高校見学ぐらい行っとけよー」 昨日、そう言って先生が配った高校見学の申込み用紙。 名前を書いて、親にはんこを貰ったあたしは先生に渡した。 「ちょっと待って、ハイ。」 咲子も駆けてきて、先生に紙を渡す。 「おー、やっぱり二人共同じ高校かー」 「いや、まだ決まったわけじゃないんですけど」 「そうかそうか。おおいに悩め生徒諸君」 …なんか変だ。 いつもあのうっざい先生が、今日は機嫌がいい。 「先生、なんかありました?」