午後にならないうちに、楢橋の例のうわさは広まっていった。 女子はもちろん、男子もなんだか親近感がわいてきたらしく、皆気軽に話しかけてる。 「…佐藤が聞いてくれてよかったのかもね、キサキ」 「…うん」 「何?嫌なの、楢橋がクラスに溶け込むのが」 「嫌じゃないけど…」 「ならいいじゃん。あ、チャイム鳴った」 そう言うと咲子は自分の席に戻って行った。 もう放課後だ。