「―ね!今、校長が「シンデレラ、いいな」って言ったよ咲子!」


あたしは急いで咲子にうったえる。

もしかしたら、まだ望みはあるかもしれない。




「そんなの聞こえるわけないでしょ。励ましてくれなくていいからさ。」


「違う。ほんとに言った。審査員席遠いから声は聞こえなかったけどっ」


「ね?聞こえないんじゃん」



「―聞こえたんじゃなくて、見えたの!」


「は?」

「フッ」



咲子の訳がわからないというおかしな顔と、誰に対して笑ったのかよくわからない楢橋の声が同時に聞こえた時。







『今年の最優秀賞は―――1組の「シンデレラ」に決定しました』



こんな放送が流れた。