『只今、審査中です』

そんな放送が流れて、席に座っていたあたしたちは、暗ーい顔をしていた。


「最優秀賞か。アタシにゃもう関係のないことだわ」

ケッと言って咲子は後ろを向いた。



「野中。何言ってんの。審査員席の話題はシンデレラに集中してるけど」

楢橋は審査員席を指差して言った。



「は?集中って言ったって、どうせ馬鹿にしたことばっか言ってんでしょ!」


聞く耳を持たない咲子。

だけど、あたしは聞こえた。




一人腕を組みながら、うんうんうなずいて、

『シンデレラ、よかったな』

という校長先生のつぶやきが。