―王子はシンデレラを見つけ、運命の赤い糸をたどる様に二人は幸せに暮らしましたとさ―
盛大な拍手の中、舞台の幕がおりた。
「はあ はあ はあ」
もうありえない…
なんかもう全てが恥ずかしい…
シンデレラを演じ終えたあたしは、くたくたになりながらも舞台をおりた。
「…咲子…なんで押したの…」
「あは。げっそりしてるねー(笑)」
「誰のせいだと思ってんの」
「アタシじゃないよ?まあアタシが押した後つまづいてたけどさ、キサキをこかしたのは佐藤お前だ!!」
佐藤くんがいる方へ指を差し、ずかずか歩いていく咲子。
「この無駄に大きなお尻のせいで…アタシの最優秀賞が…」
…もう皆は最優秀賞を諦めていた。
楢橋以外は。


