「でもっ!ここの学校の人は皆、楢橋くんを「極道一家の息子」だと思ってるんですけど」
「さあ、どうしてだろうねえ?竜」
「知らねえよ」
じ、じゃあ…
「楢橋の言うことは絶対って…」
「何?竜あんたそんなに権限あるの」
「さあ?」
「楢橋の横と前には座るなって…」
「あんたそんなこと言ってるの?」
「言ってねえよ。少なくとも中村はフツーに横でも前でも座ってるだろーが」
「楢橋に歯向かうなって…」
「へえ、竜の言うこと皆歯向かわないの?」
「目の前にいらっしゃる方は歯向かいますよ」
「じゃあ…最後に。背中に大きな入れ墨は…」
楢橋は、本当にうっとうしそうに答えた。
「ねえよ。」
嘘…
楢橋は、楢橋は、ヤクザじゃない…


