「そりゃあ…無理矢理…」 「無理矢理?」 ―違う。違うよ楢橋。 はじめは正直嫌だったけど… 「今は、やろう、やりたいって思ってる」 「ふうん…」楢橋はそう少しうなずいた。 「俺も、やるからには「王子」になるつもりだから」 「へ、へぇ…」 気合い入ってるんだ。 あたしも、頑張ってみよう。 そのとき、カラスが鳴いた。 不吉な、その鳴き声。