帰り道、あたしは咲子と別れてから、一人で台本を読みながら帰っていた。 「………。ねえ、後ろあとつかれてるみたいで怖いんですけど」 「……は?」 そこには楢橋が、一人。 「なんでこっち来るの」 「だって家こっちだし」 「………。そう」 そーだった… 「ね、楢橋。楢橋って王子様役ほんとにできるの?」 あたしはとっさに話を変える。 「何。今からでも役降りてって言いたい訳」 「…そうじゃないけどっ」 すると楢橋が冷たい目をして言った。 「中村お前は何で主役やるって決めた?」