カイは途方もなく拡がる砂漠を歩いていた。

人も草も水さえも…

すべてが砂に呑まれた街。
砂に呑まれた人々の像がいくつも並んでいるが、どれにも生気はない…………

カイが触れる。
温もりも残らない砂の像は音もなく崩れていく。
土へ還ってゆく。

「うっ、うわあぁぁ…」

カイは、飛び起きるように目を覚ました。