「よっ!久しぶりー」

「よう。さしぶりだな。」


健…なんか、痩せたね。


久しぶりに見る健の顔。


久しぶりに座る助手席。


当たり前の光景が今は、宝石のように輝いて見えて泣きそうになる。


゛やっぱり、健の側にいたい。健が好きだよ…″


車内は無言だった。


お互い、何から切り出していいのかわからない。


先に静寂を破ったのは健だった。


「りん、俺さー、この前かすみと遊んだんだ。」


「え…!?」


゛いきなりそれかよ″

゛黙ってればすむ事じゃん!″


全く予想外な発言に心が波打つ。


「なんか、やっと吹っ切れたよ」


さすがに、この言葉は許せなかった。


「何それ!?今まで、私と付き合っときながら、かすみちゃんの事好きだったって言うの!?ふざけないでよ!!私はなんだったの!?」


「ごめん、俺、りんと付き合いながらも、かすみの事は忘れられなかった。りんの事も好きだよ…でも、かすみは違ってたんだ。誰もかすみを追い越すことなんて、できなかったんだ。」


ショックで目眩がする。


「かすみちゃんとやったの?」


一番気になったことだった。


「いや、やってはいないけど、かすみ、県外に行くんだって。もう、俺の知ってるかすみじゃないなぁって思ってさ。やっと忘れられそうな気がする」


あまりにも身勝手な言い分に頭に血が昇る。

「ひどいよ!私は何だったの!?こんなの、ただの都合のいい女じゃん!お金は出す、暇な時遊べる、Hはできる。ただのセフレだったの!?」