堕胎手術を受けてから、3ヶ月程、私の生活は荒れていた。


毎夜、夜の街に居た。

バイトではなく、飲み歩くために…


健とは、手術の日以来、連絡を取っていない。


なんとなく、逢いづらい…


逢いたくない自分もいた。


今の私は、ただ息をしているだけの人形。


喜怒哀楽の感情が欠落している。


淋しさと虚しさに包まれて、今日も夜の街をさ迷い歩く…


そんな気持ちを紛らわすかのように、日々違う男と枕を交わす。


違う男に抱かれる度に、私の心と体は、健が恋しくてたまらなくなる。


゛ねえ、健。私は健とは違う人の腕の中にいるよ″


゛ねえ、健。ホントは悲しいよ、淋しいよ、辛いよ…″


゛けん、けん、気づいてよ!このままじゃ、淋しくて死んじゃうよ…″