その顔つきはさっきまであたしに向けられていたものとは違っていた。 ほんのりと頬の色が赤くなっている。 でも「好き」という気持ちをちゃんと言っている。 いかにも恋をしているっていうのが伝わってくる表情だった。 普通だったらこんな美人な人にそんなことを言われたら何かしらの変化が起こる。 なのにこいつはしらけた目で成美先輩を見た後またさっきの足取りで歩き始めた。 あたしは後ろ向きのまま進んでいる状態。 自然と成美先輩の方を見てしまう。