あたしは勢いで地面に倒れてしまった。
その姿を見てか周りの先輩達のテンションも上がり始めてくる。
「あたし神尾仁と陽さんと馴れ馴れしくする気なんかないんですけど。」
激痛が走る腹部を抑えながらあたしはなんとかして立ち上がろうとした。
「へぇー。まだそんなこと言うんだ。」
鼻で笑う成美先輩の声が上から降り注いでくる。
それと同時にあたしの髪の毛を乱雑に握り、そのまま無理やり顔を上げられた。
嫌でも成美先輩と目が合ってしまう。
「あのねー。仁と陽様はみんなの物なの。だから一人でも二人に近づくような事があったらみんなの物じゃなくなるでしょ?だからあたしは今までも二人に馴れ馴れしく話すような奴がいればすぐこうしてきたわけ。わかる?」


