「やっぱり~?奈都もそう思った?そんなんだよねー。仁様は小悪魔系イケメンだけど陽様は爽やか系イケメンなんだよねー。」





いや奈都。


神尾仁は“小悪魔”なんてかわいいもんじゃないよ。


あいつはもはや“大魔王”の域に達してるよ。


あの笑顔に騙されてる奈都がすごくかわいそうに見えてきた。





キーンコーンカーンコーン




授業終業のチャイムが鳴った。





「ちぇっ。体育終わっちゃった。あーあ。仁様も陽様も校舎に入っちゃったぁ。」





あたしは奈都の言葉に苦笑いを浮かべた。


すると奈都が不機嫌そうな顔をして「美桜は仁様の彼女だからいいよねー。」なんて言ってきた。


あたしは反抗するのも面倒臭くなって聞こえないふりをしていた。


そうしたかったのに……