「ねぇ神尾仁。」
「………」
「ちょっと、あたし今あんたのこと呼んだんだけど。」
「………なに?」
ふと神尾仁と目があった。
でも神尾仁の眉間にはシワが寄っていて、いかにも不機嫌オーラが醸し出されていた。
「え"、あ、なんか話しかけたら迷惑な感じだった?」
「あはは」とごまかし笑いを交えて神尾仁の機嫌を伺った。
「………」
するとまた更に眉間にシワを寄せ始めた。
「ごめん……」
「なんで謝んの。」
「だってさっきまで普通だったのにこの数秒間で不機嫌になったってことは、あたしが原因でそうなっちゃってるってことでしょ?……だからかなんか反射的に謝ってしまったっていうか……」
すると神尾仁「はぁ…」と一息ため息をついた。


