「あのさ!!」 何を思い立ったのか不意にあたしは口を割ってしまった。 その瞬間、即座に神尾仁と目があった。 「あのさ…」 神尾仁のあまりの振り向く早さにあたしは少し驚いてしまい体がビクッと動いた。 その衝動で言葉を詰まらせた。 「えっと………今日は、…その……………」 じーっとあたしの目を見る神尾仁を見るのが気恥ずかしくなってつい目を反らしてしまう。 自分でも不思議なくらいの変な気持ちにあたしはうまく言葉が出なくなってしまい、小さくさっきの言葉に付け足して「ありがとね。」と言った。