「ああ……そっか…」
やっぱりあの時奈都が近くにいてくれてたんだ。
なんか安心したな。
「んで?何悩んでたの?」
じっと目を見つめながら体を乗り出してくる。
顔近すぎでしょ。
あたしは恥ずかしくなってギュッと目をつぶった。
「俺に話せないこと?」
声はあの意地悪なまま。
なのに神尾仁が寂しそうな雰囲気を醸し出しているのはなぜだろう?
「えーっと……」
目をつぶりながらもなんとか答えようといろいろと考えているあたしって……
「まあ、別に話せないような話だったら話さなくていいけど。」
そう言ってベッドの横にある椅子を引きずり出し始めた。
「別に話せないような話なんかじゃないけど…」
すると神尾仁は「ふーん」と言ってさっきの椅子に座った。


