俺はゆっくり口を開いた
「アンタ何考えとんねん。親父らしいこと何にもせんと俺らの前によう来れたな。のうのうと現れただけやなくて金貸してくれって何で言えるねん」
俺の言葉にアイツは訳分からんことを言った
「どうしても困ってたんや…子供なんやから貸してくれてもええやろ」
この一言で俺はキレそうな自分を必死に抑えた
「アンタが出て行ってからどんだけ必死に俺らが生活してきたかも知らんで…姉ちゃんがどんな思いで貯めてきた金か考えたことあんのか」
「龍也…お前も働いてるんやろ…それやったら…」
アイツがそう言いかけた瞬間、俺はアイツの胸ぐらを掴んだ
「…龍也…」
彩姉が心配そうに見てる
もう止められへん
「ちょっと表に出ろや」
そう言ってアイツを外へ連れ出した


