お店の奥の席からこちらを見ている人がいる ゆっくり近づくとそこに写真でみた顔より歳を重ねたお父さんがいた 「彩…よく来てくれたね…大きくなって…あの頃のお母さんにそっくりだ…」 私は何も言えずお父さんの前の席に座った お店のマスターが注文を聞きに来てコーヒーを頼んだ 「お母さんと龍也も元気か…」 「…はい…」 返事をするだけでやっとだった 「龍也も大きくなったんだろうな…」 お父さんが話しかけているのを客観的に見ている私がいる