私たちの席は、窓側の一番後ろ。



そっと周りを見渡すと、誰も気付いてない。





篤史が、私の手を掴んで…


自分のポケットに入れたんだよね…





ドックン…ドックン…



心臓の音が、身体中に響く。





このままじゃ、息が止まりそうだ…




彼のポケットのカイロを掴んで、手を抜いた。




「返してもらうから。」



小さな声で、冷静に言ったつもり。




篤史は私をチラッと見て、フッと笑っただけだった。





なんか…



私だけがアタフタして、アイツが余裕に見えるんですけど。




もう! ………バカ篤史。




でも



家に持ち帰ったプリントとカイロは




宝物箱に、入れた。