部室に戻ると、みんなが一斉に私を見た。




美穂にだけは、話してたけど。




三人で離れたことで、察知されてしまったらしい。






「どうする? 希。」



美穂の声が、静かな部室に響く。




「うん… もうちょっと、続けることにした。」




そう言うと



今まで張り詰めていた空気が、ふっと柔らかくなった気がした。




真剣な顔をしてたみんなが、笑ってる。




「良かったー… 頑張ろうよ!」



加奈の声に、また涙が溢れる。




こんな、お荷物の私が辞めないって言ったら


みんなホッとして、喜んでくれた。




「もうー、泣かないでよ!」



そう言う美穂も、泣いてる。




涙はドンドン伝染して…




千佳も、泣いてくれてた。






身体能力も技術もない私が、ここにいる意味。




それは分からないけど。




私が残ることを喜んでくれた、みんな。




そのみんなと




一緒にいようと思った。