「どうして俺の分がこれしか無いんだよっ!」


「だってお前、返事しなかったから不参加かと思ったんだよっ」


「愛川の分はあるじゃねぇか」


「愛川ちゃんはちゃんと来たから当たり前だし。
陽太もさっさっと来たらいい話だったんだよ」



あはは……
ごもっともですね。


桐谷の手に握られている花火……


それは……


「だからって“線香花火”だけかよ」


「しょーがねぇだろ?
遅かったんだから」



あたしの分の手持ち花火はあと3本。


それ以外はみんなで遊んじゃったみたい。


ま、来るのが遅かった桐谷が悪いね。



「あたしの分けてあげるから機嫌直しなよ」


「まー、しょうがねぇか」


よし、聞き分けがいい。


じゃあ早速遊ぼう。


桐谷に2本分けて、クルクル円を描いたりして遊んだ。


本当はこんな遊び方しちゃいけないけど……


ナイショね。