何してんだよっ!
収まったはずの心臓が、
また派手に暴れだす。
「お、おい! 離せ、馬鹿」
「いや?」
さっきまであんなに照れてたくせに、
あさひは少し赤い顔で俺を見てくる。
「やじゃねぇ、けど・・・・・」
「じゃあ、あたしの話も聞いて?」
普段聞いたことのない甘い声で、
普段見たことない赤い顔で、
普段より数段に素直にそんなこと言うから、
「・・・・・どうぞ」
抵抗をやめて、あさひの言葉を待った。
少しだけ目をそらして、またあわせて、
それを何回か繰り返すと、
決心したかのように俺の目を見つめた。
「いつも素直じゃないし、
怒ってばっかで何もかわいくないけど、
あたしも、祐次の事・・・・・・」
そこでまたあさひは口ごもってしまった。
俺もさっき言ったし、
恥ずかしいことはわかってるから無理に言わさない。
「わかってる。ありがとな。
もう、それで十分だよ」
「だめっ! あたし決めてたの。
明日言うおと思ってたから、今言う」

