「守ってやれなくて・・・最期まで一緒にいてやれなくて・・・ごめん」



予想しなかったんだろう。


お互いに。まさか凜さんだって自殺するまで追い込まれるなんて・・・。


『兄貴ばっかり幸せ』


その思いが・・・今なら分かるかもしれない。


ユウキが背負っている苦しみも


コウキくんが背負ってる悲しみも・・・


全部・・・私が味わったことのない程辛いことなんだ・・・。



「ごめん・・・愛してる・・・凜・・・アァアッ!!!」



泣き叫ぶ声が大きくなった。


私は見ていられなくなった、彼を。


そんな私の瞳を、ユウキの大きい手が塞いでいた。



「泣くな・・・悲しみは・・・あいつが全部分かってるから」


「・・・ッッ・・・凜さん・・・可哀想だよ・・・・」


「・・・ああ」



悲惨すぎるよ・・・。


可哀想だよ・・・。


凜さんを愛していたコウキくんを地獄に突き落として・・・。



「凜・・・りっ・・・ん・・・また・・来るから。・・・また・・・ひまわりが咲く頃に来るからね・・・・」




私も思い入れのある、『ひまわり』


花言葉は『あこがれ』、『私の目はあなただけを見つめる』


ひまわりの黄色が・・・朝空を染める。


涼しい、夏の日・・・。


私は、『悲しみ』を知った。