あの日は、何が起こったのか分からなかった。 空一面が真っ赤に染まり、街全体が炎に包まれたんだ。 いつもは怒鳴り散らしていた隣の家の頑固ジジイの怒声が聞こえなかった。 よく石を投げ入れてくるうざったいガキ共の憎たらしい笑い声も聞こえなかった。 ただあの時頭に浮かんだのは、ソフィアだけだったんだ。 今は、思うたびに消したくなるんだ。 ごめんな、嫌いになったとかじゃねえんだ。