学校行く気がしねぇ……



めんどくせぇ…



行きたくねぇ……



変な三拍子そろってるし。



でも行かなきゃうちのババアの鉄拳飛んでくるしなぁ……。





重たい足と重たい気持ちを引きずるように学校に行く。



しかも。



こんな時に限って昇降口で朱里に会うし。



マジであり得ねぇ。



気づかない振りをして自分の靴箱で靴を履き替える。



朱里が何か話しかけようとしてたように見えたけど、

今の俺に朱里に優しく話しかける余裕は無い。



自分でもここまでイライラする理由はよくわかんねぇ。



でも多分、拒否られたことが相当ショックだったんだと思う。



教室に向かおうと足を踏み出した瞬間、何か弱い力に引っ張られる。



もう力が入ってるのか入って無いのかわかんないような本当に弱い力。




振り返ると震えた手で俺のブレザーの袖を握っている朱里がいる。



表情は下を向いていて見えないけど、顔は赤くなってるのかな。





「あ…かり?」





引っ張る力は弱いけどブレザーの袖を握る力は強くて、ちょっと動かしただけじゃ離さない。



何これ。