「先生、女湯どこですか?」
「そこ。」
指差した方を見ると
女湯と書かれた扉があった。
その隣りが男湯。
中で別れてたんだ。
「先生、あたしたち
かなり迷ったんですよ。
中入って男湯だったら
どうする?って」
「ははは。よかったな、
男子いなくて」
「笑い事じゃないですよぉ」
そんなこと会話をする。
お風呂に入って
髪も乾かさずに
あたしは脱衣所を出る。
夏だからとにかく暑い。
脱衣所を出たところに
まだマッサージチェアに
座った先生がいた。
「あ~つ~い~」
と言いながら
あたしは扇風機の前に行き
強にしてスイッチをいれる。
「俺も家でそうする」
扇風機の前にいる
あたしを見ながら
先生はそう言った。
「ですよね~」
「でも俺んちの扇風機
この前壊れてさ。
仕方ないから最近は
エアコンつけてから
風呂入ってるよ。」
「お風呂上がり
暑いですもんね。」
そう言いながら
あたしは自分の髪を拭く。
水嶋先生とこんな話を
するなんて夢みたい。

